1.相談窓口・医療機関
もしお子さんが摂食障害になってしまったかもしれないと思った時にはどこに相談したら良いのでしょうか?(各科の特徴、長所・短所など)
■総論
A-1. 二つの問題
a. 専門家の不足
摂食障害の対応に慣れた医療機関などが少ない
相談に行っても良くわからないまま時間が過ぎたり病状が進行したりする可能性がある。
b. 本人の問題
本人が病気だと思っていない、本人が病院を受診したがらない
A-2. 病気の進行度、重症度
病気の進行度でも異なります。重症になると本人が病院受診を頑なに拒否することがあります。
A-3. 本人の病識の有無
病識があるかないかでも異なります。病識とは本人が“自分が病気かもしれない”と思っているかどうかです。
痩せ始めた時には、本人は病院に行ってダイエットを止められたらどうしようという不安を持っているかもしれません。
かなり痩せているのに本人がもっと痩せたいと思っている可能性
A-4. 身体症状の有無
本人がふらつく、お腹がいたい、寒気があるなどの身体症状がある場合この身体症状をきっかけに病院に相談することが良いこともあります。(拒食・過食について)
嘔吐時の合併症について
A-5. 医療機関以外に相談できるところはあるのか?
日本小児科学会は、2006(平成18)年に小児科は思春期診療も行うことを宣言しています。
高校生まで18歳でも小児科受診しても大丈夫です。(医療機関により受け入れ基準が違うことがあります。受診前にご確認ください。)
成長についても記載
お子さんが中学生、高校生の頃に発症しやすいので相談できる場所として学校の養護教員などがあります。
A-6. 医療機関を受診する前に準備すること
メモの準備
このサイトにある摂食障害を疑う特徴についてメモをまとめましょう(チェックシートを利用してください)。
母子手帳、成長の記録。
親子の証明ができるもの。子どもの保険証など
■各論
B-1. 重症の場合
意識障害などで倒れてしまう
なんらかの理由で重症になるまでどこの医療機関にもつながらなかった場合です。本人が意識障害などで倒れてしまった時に救急病院を受診することになるでしょう。この時にできれば担当医師にメモした内容を伝えて相談すると、入院して専門の診療科につなげてもらったり、専門の診療科を持つ医療機関へ紹介してもらえたりする可能性があります。
チェックシート 1.5番 摂食障害症状チェックリスト
B-2. 軽症の場合
本人が忙しいなどと色々な理由で医療機関の受診を拒否する可能性があります。電話 で予約する際に本人が不在でも相談可能かどうかを確認することも必要です。
B-3. 医療機関に受診するためのきっかけがある場合
本人が何かに困っている場合、不安がある場合は、その症状にあう診療科を受診するのも良いでしょう。高校生くらいまでなら小児科へ、小児科を嫌がる年齢ならば、症状に応じて内科、胃腸科などが良いでしょう。
B-4. 医療機関
a. 総合病院かクリニックか大きな病院の良いところ、検査機能。担当医が変わる。
検査は検査でしてもらう。
二本立て。
クリニックよりも総合病院が良いとは必ずしも言えません。
総合病院は紹介なしで直接受診することが難しかったり、予約がとりにくかったりします。
自宅から遠いこともあるでしょう。まずは近くのクリニックを受診することをお勧めします。
かかりつけ医を持つことの利点は、いつも同じ先生に何でも相談できることです。
病気のほとんどは大きな総合病院に行かなくてもかかりつけ医への相談で済むことがほとんどです。
また、より深刻な病気の可能性が疑われる場合は、かかりつけ医が判断し、総合病院へ紹介してくれます。
総合病院ではかかりつけ医で出来なかったより詳しい検査などをしてくれます。
また検査や入院治療が終わればまたかかりつけ医へ連携してくれます。
うまく、かかりつけ医と総合病院を使い分けることが大切です。
b. 総合病院でもクリニックでも何科を受診したら良いか迷うこともあります。症状がある場合には先に説明した通りですがもう一度整理しましょう。
① 小児科
中高生までならまずは小児科がお勧めです。
しかし、小児科で摂食障害を専門にしている先生は少ないので、メモを準備して摂食障害を心配していることを伝えて下さい。
摂食障害に詳しい医療機関を紹介してもらいましょう。
② 内科
本人が小児科受診を嫌がる年齢ならば一般内科、総合内科で良いでしょう。
③ 胃腸科などの専門科
本人が便秘などの腹部症状を持っている場合は、胃腸科を受診してみるのも良いでしょう。
また寒気などを訴えている場合はホルモン異常の可能性があるので内分泌科などに受診するのも良いでしょう。
しかし、摂食障害を心配していることをちゃんと伝えましょう。
④ 婦人科
月経不順・生理不順がある場合です。
⑤ 心療内科
本人が不安などを抱えていて、心療内科受診を嫌がらない場合
⑥ 精神科
最終的には摂食障害は精神科治療が必要と思われます。
しかし、初期から精神科受診することは困難なことが多いと思います。
身体症状が少なく、精神科受診を嫌がらない場合。
⑦ 救急診療科
何か急激な症状(激しい腹痛、意識障害、転倒など)がある場合は受診すると良いでしょう。