1.体組成を整える
体組成を正しく整えるためにプランを立てていきます。
無理せずリバウンドしにくい健康的なダイエットを行うには、自分の体内で自分の脂肪を燃焼させる、つまり、基礎代謝を高める必要があります。
ここでは、その方法についてご紹介します。
①現状と目標の数値を書く
体組成計が示す数値(現状)と、目標値は下記のサンプルを参考に記入して下さい。
目標体重は、過去の自分を振り返り、もっとも理想とするスタイルだった時の体重を設定するとよいでしょう。
但し、BMIが20未満にならないように設定してください。
サンプル1)【減らすべき体重>減らすべき脂肪】のケース
41歳、男性、身長180cm、体重102.6kg
②あらためて目標を書く
体重 24.6kg ダウン
脂肪 17.0kg ダウン
減らすべき体重約24㎏のうち、約7割を脂肪でダウンさせる必要があるということです。
目標を記入した紙は、普段よく目にする場所に貼っておくのがおすすめです。
➂目標達成にむけたプランを立てる
目標が決まったら、次にその実践計画です。
下の写真をご覧ください。脂肪1kgの大きさです。
サンプル1の男性の目標は「脂肪 17.0kg ダウン」とあります。
つまり、この塊17個分の脂肪を自分の体内で燃焼させなければならない、ということです。
そこが決まればダイエットの期間が見えてきます。
「2006年カナダの肥満予防ガイドライン」では、体重減少のスピードは最大1週間あたり0.5から1kg(1か月で4kg)までを目標とすることが記載されています。
この男性は体重約24kgを落とす必要があるため、毎月4㎏ずつ落とすと想定すると、
24kg÷4kg=6か月(180日)
そして、1gあたりの脂肪分は9kcal。
この男性は17kgの脂肪を落とすことを目標にしていますので、
17,000g(17kg)×9kcal=153,000kcal
トータルで153,000kcal分の脂肪を消費する必要があります。
153,000kcal ÷ 180日=850kcal/日
1日に必要なカロリー(基礎代謝量+生活代謝量)を約850kcal減らせば、理論的には6か月で脂肪17㎏の減量に成功するということになります。
この1日850kcal全てを食事の量で調整することはなかなか難しいと思われます。
例えば、食事の量でマイナス500kcal/日、残りの350kcal/日を運動量の増加で実践すると目標達成しやすいという方もいます。「散歩30分で100kcal消費」と覚えておくと良いでしょう。
ライフスタイルに合った目標の立て方が大切です。
ほか2名のサンプルをご紹介します。
サンプル2)【減らすべき体重=減らすべき脂肪】のケース
41歳、女性、身長154cm、体重65.4kg
このサンプル2の女性の目標は
体重 13.3kg ダウン
脂肪 12.8kg ダウン
目標とする体重減少約13kgのほとんどを脂肪の減少で達成しなければなりません。
この場合、筋肉の量が落ちないように運動をしながら脂肪を落としていく必要があります。
ケース1のように1か月に体重4㎏ダウンとするならば、期間は単純計算すると、
13.3㎏÷4㎏/月 ≒3.3か月(100日)
となります。
そして、この方は脂肪12.8㎏ダウンを目標としているので、
12,800g(12.8kg) ×9kcal=115,200kcal
115,200kcal ÷100日=1,152kal/日
1日に必要なカロリーを1,152kcal減らせば実現できるということです。
ただ、食事だけで1000kcalを落とすことは難しいと思います。
食事で500kcal、残りの652kcalを運動で落とすとしても、1日のうち、約3時間を運動の時間にあてる必要があります。
現実的な方法としては、1日500kcal減を目標とし、200kcal分の運動と1日あたり300kcalの摂取カロリー減にすれば、
115,200kcal÷500kcal/日=230日
この方は、12.8kg分の脂肪を230日(約8か月)かけて落としていくことを目標に設定しました。
サンプル3)【減らすべき体重<減らすべき脂肪】のケース
45歳、女性、身長158cm、体重59.9kg
このサンプルの女性の目標は
体重 5.0kg ダウン
脂肪 7.1kg ダウン
体重は5.0kgダウンが目標ですが、脂肪量は7.1kg落とす必要があります。
2.1kgもの差があり、しかも、体重の減少量よりも脂肪量の減少量が上回っています。これは、筋肉の量を増加させながら脂肪の量を減らすという一番難しいケースです。
7,100g×9kcal=63,900kcal
63,900kcal÷500kcal/日=128日
128日(約4か月)かけて約7㎏の脂肪量ダウンと約2㎏の筋肉量アップを目指します。
筋肉量が増えると基礎代謝があがり脂肪の量は減少します。
このケースでは、いかに筋肉量を増やすかが課題のため、1日500kcalのカロリー減はできる限り運動で達成することが望ましいと思われます。