ファミリーコーチ PROJECT

健康

STEP5. 維持

3.日米の違い

日本とアメリカで同じ調査方法で患者数を調べた研究はないため、摂食障害の患者数が日米で違うのかは不明です。

しかし、大きな違いはないのではないかと専門家は考えています。

 

A. 医療施設・診療科

日本では摂食障害を専門とする医療施設はほとんどありません。しかし、アメリカでは、摂食障害専門のクリニックや、施設が沢山あります。

また、アメリカでは思春期診療科という日本ではまだあまり普及していない専門診療科があり、摂食障害の好発年齢の思春期を対象に診療をする医師がいます。また、思春期患者が通院しやすいようなシステムがあります。

 

B. 診療体制

日本では摂食障害の診療のためのトレーニングを受けることが難しいため、摂食障害をきちんと診療できる医師はとても少ないです。また診療ができる医師がいた場合でも独りで診療している場合が多いのが現状です。

アメリカでもどこにでもあるわけではありませんが、多くの専門職が集まって摂食障害の患者さんを治療する病院やクリニックがあります。(要確認)

アメリカでは次の種類の治療プログラムがあります。

 

B-1.Inpatient(入院)

入院治療です。脈が遅い、血液検査に異常がある、自殺企図があるなどの生命危機が強い患者さんが対象になります。日本と違い入院期間は短く通常は、過食症で7-10日、拒食症で2−数週間になります。

 

B-2.Residential Program(居住プログラム)

最大10人くらいの患者さんが施設に寝泊まりして、24時間治療に専念するための施設です。より自宅に近い環境での治療になります。精神的にはまだ不安定でも、生命的な危機が少ない患者さんが対象になります。治療期間は、本人の症状や、加入している保険によっても異なりますが、2週間から1年間になります。

 

B-3. Partial Hospitalization Program (PHP)

Day Program(デイプログラム)と呼ばれることもあります。週に5日間、朝から夕方まで病院にいますが、夜寝る時には自宅に帰るところがInpatient(入院)治療とは異なります。通常、食事も2回は病院で食べます。通常は4-6週間のプログラムになります。

 

B-4. Intensive Outpatient Program (IOP)

外来治療プログラムですが、週に3−5回の頻度で、13時間程度のプログラムです。一緒に夕食を食べたり、グループセラピーなどを行ったりする、集中的な外来治療プログラムになります。本人の症状や、加入している保険によっても異なりますが、通常は4-6週以上のプログラムになります。

 

B-5. Outpatient  (外来)

日本と同様の外来治療になります。最も軽いプログラムです。

日本では、医療スタッフが少ないため、入院中に摂食障害の患者さんの食事をスタッフがつきっきりで観察している病院はほとんどありません。

アメリカでは、患者さんにつきっきりで観察する専属のスタッフがいることが通常です。

日米の診療体制など違いは色々ありますが、やはり摂食障害の有効な治療法が十分に確立されていないため、日米で抱えている問題は同じで、アメリカで治療を受けた方が早く治るとは言い難いようです。